March 02, 2008

2月29日のノーサイド。

2月29日。
4年に1度しか訪れない今回のその日は、
ボクにとってもある意味特別な日だった。

この日、10月から勤務していた会社に別れを告げた。


4月からの法科大学院進学が決まっていたため、もともと短期間でしか勤務できないことを会社側には伝えていた。1月末に話し合った中で「最終勤務日は3月15日まで」ということになっていたが、ボク側の事情の急変があって、1週間前の2月20日に急遽2月末までに変更していただいた。


そして、その日が訪れた。



ボクは、できることならそっと消えるようにこの会社を去りたかった。
決してこの会社が嫌いだったというわけではない。むしろ、とてもいい会社だと思っているし、この会社で勤務していることは幸せでもあった。だからこそ、ボクが去ることで、自らが任されている作業チームの業務にほんの些細なことでも何らかの影響を及ぼしてしまうことは避けたかった。得てして人事の話題というものは、自分だけではなく周りにも必ず何らかの影響を及ぼしてしまう。ボクは最後の最後まで与えられた職務を全うし、後任者にスムーズな形で引継ぎができるように努めた。上司にも、この件は最終日まで他の一般スタッフに伝えないという配慮をしてくれた。

最終日の朝、ボクがその日限りで会社を去ることがスタッフ全員に発表された。にもかかわらず、ボクは何の感傷に浸ることもなく、至ってフツウに業務を行った。ホントは、そういう姿を敢えて見せるようにしていたのだけど・・・。「与えられた仕事は最後まで全うする責任がある」ということを、仕事に対する姿勢を、特にボクよりも若いスタッフたちに、この身をもって示し、伝えたかった。
「立つ鳥、跡を濁さず」というコトバがあるが、ボクは任されたスタッフたちをきちんと育てるという課題をきちんと全うできたのかは実のところ自信がないし、またそれを確認することもできない。なぜなら、彼らがどれだけ成長したのかは、ボクがいなくなったときになって、自らが考え行動するようになってわかるものだから。



この4ヶ月間を通して、ボクが一貫して伝えたかった仕事の基本姿勢。
それは「変化への対応と基本の徹底」だ。
この基本姿勢は、セブン-イレブン・ジャパン時代に徹底的に教えられたこと。しかしこれはどんな仕事にも通じるものであると信じている。

お客様が商品やサービスに求める価値は常に変わり続け、そしてその求める価値のレベルは上がり続ける。その求める価値に対応できるように仕事の仕方を柔軟に変えていくことが、お客様の満足を、そして信頼を得ることにつながる。これが「変化への対応」。
しかし、変化へ対応していくには、まず基本をきちんと守ることが大前提でなければならない。例えばピッチングフォームがめちゃくちゃなのに、いきなり150km/hの剛速球なんてできるものではない。よしんばできたとしても、そのうちに肩を故障したり、何らかのトラブルが発生して選手生命を奪うことだってある。そうなっては元も子もない。他の仕事でも同じで、何事も基本的な手順・手続を踏んで業務を行うということが最も重要なのだ。これが「基本の徹底」。
ボクは、この2つの基本姿勢に反する仕事の仕方をした者に対しては、たとえ結果オーライでも厳しく接したし、逆に何らかのミスがあったとしても、この基本姿勢に忠実であった者に対しては何も叱ったりしなかった(最低限の注意はしたけど)。

もし、ボクという存在が、いい意味で彼らのこれからの仕事に化学反応を起こすことができたのであれば、きっと存在した意味はあったのだろう。


・・・


業務終了後、いつものように残務を片付けていると、直属の上司に廊下に呼び出された。そこには、自らのチームだけではなく、所属部署の全スタッフが集まっていた。
思いもしなかった、まるで自衛隊の栄誉礼のような送別セレモニーがボクを待ち受けていた。「こういうのはボクは苦手なんですが」と思いっきり照れてはいたが、素直に嬉しかった。

image087「名古屋に行って、がんばっていい弁護士になってください」とスタッフたちからいただいたプレゼントは、ハート型のサボテンだった。

これから先、心が折れそうになったらこのサボテンを見ることにしよう。




涙は見せなかったが、この4か月を心から感謝したい。
ありがとうございます。

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この記事へのコメント

1. Posted by まーぼ☆    March 02, 2008 22:57
ステキな会社で働けたんだね。
4月から、頑張らなきゃね
2. Posted by concierge YASDA    March 04, 2008 14:35
> まーぼ☆さん。
おっしゃる通り、素敵な会社でした。
昔から、こういう部分では運がいいのかな…という気がします。

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