December 29, 2006

伝説のパブ。

[22/DEC 20:00](日本時間 23/DEC 5:00)

この旅で、最も幸運だった瞬間。
それは、イギリスで最も古いPubでお酒を飲むことができたことかもしれない。


horseshoe barその名を「The horseshoe bar」という。
これは帰りに(酔っぱらいながら)辛うじて撮れた店の外観だが、開店したのはなんと19世紀後半・1884年のことである。気さくな店員さんから聞いた話では、このPub、基本的に内装も外観もほぼ開店当時と変わらないらしい。

なぜ、このPubでお酒を飲んだのが幸運だったのか。


それは、お店に入る前の出来事。物語のように思うかもしれないが、本当の話である。



クリスマスのイルミネーションを堪能したボクは、宿泊先に戻るべく街をてくてくと歩いていた。そしてこのお店の前を通り過ぎた直後、背後から誰かが呼び止める。
「Hey, boy!」
Glasgowには知り合いもいないので、おそらく人違いかな・・・と思いつつ振り返ると、その声の主がボクに近づいてくる。
「Hey, boy. Are you John Lennon's son?」(キミはジョン・レノンの息子かい?)
このヒト、当然のことだが酔っ払っている。いかつい顔で、しかも腕っぷしも強そうだ。
怖そうだなぁ・・・逃げなきゃと思いつつ、
「No, sorry. I'm Japanese...」(ごめんなさい、ボクは日本人です・・・)
「Oh You're Japanese! Do You know...NAKAMURA?」(おぉ、日本人か? お前はナカムラ(=中村俊輔)を知ってるか?)
「Yes...」(まぁ・・・)
「Hey, everyone! He's Japanese! He's NAKAMURA!!」
(みんな〜!! 彼は日本人だぞ! ナカムラだぞ!!)

そして
「Welcome to Glasgow! And Merry Christmas! Let's drink with us, Come in!」
などと半ば強引にPubの中へ入ることに。


horseshoe bar2店内は金曜日の夜ということもあって大混雑。足の踏み場もないぐらいだった。
(とりあえず1杯だけ飲んで帰ろう)と思いつつ、なんとかビールを1パイント注文。これがまた安くて美味しい! くだんのScotishととりあえず乾杯すると、彼の友人たちが続々と周りを囲んで話しかけてくる。彼らは総じて怖そうな顔をしていたが、一緒に飲んで話をしているうちに、彼らが実は陽気でフレンドリーで親切な人たちだということがわかってきた
店員も「彼らは怖いと思うかもしれないけど、いいヤツばっかりだから心配しないで」とアドバイスしてくれた。彼らは常連客のようだ。

1杯目を飲み干して、彼らと話していることが楽しくなってきたボクは2杯目を注文しようと店員を呼ぶ。すると、彼らのうちの1人が
「おいおい、キミはせっかくこの遠いGlasgowまで来たんだ。次の1杯はオレにおごらせてくれよ。これは歓迎のしるしだ!」とおごってくれた。

彼らといろんな話をしながら2杯目を飲み干すと、今度は別の1人が
「Whiskeyを飲んだことはあるか? Scotlandに来たなら、Whiskeyを飲まなきゃな。よし、今度はオレがおごるよ」と、すかさず注文。

「Whiskeyは強いからな、もしキツいようだったら、あまり無理しなくてもいいぞ」
とフォローまでしてくれる。
出てきたのはオン・ザ・ロック。
口に入れた瞬間はガツンとくるが、次の瞬間まろやかさと香ばしさが鼻を通り抜ける。本当においしかった。(銘柄を聞いとけばよかったと少し後悔。ただマッカラン、カナディアンクラブや山崎でないのは確か。)


ゆっくりとWhiskeyを楽しみながらさらに話に花を咲かせていると、あっという間に時間が過ぎていく。

「お、そろそろ家に帰らなきゃ。じゃ、またどこかで会おう! いい旅を!」
「ナカムラに会ったら、『キミは最高の選手だ!』って伝えておいてくれ」
「Merry Christmas!」

そう言い残し、彼らはそれぞれの家路へ。
ボクもいい感じで酔っ払ってきたのでScotlandの冷たく、でも気持ちの良い風に当たりながら宿泊先へと戻った。


この夜。
ボクはイギリスで最も古いPubに出会い、Scotishの温かい情に触れ、そしてほとんどタダ同然で楽しいお酒を飲めたという非常にラッキーとしか言いようのない夜を過ごすことができた。
これを幸運と言わずにいられようか。


Glasgowに行ったら、このお店には必ず立ち寄ったほうがいい。
何か幸運が待ち構えているはずだから。


The Horseshoe Bar
17 Drury Lane, G2 5AE
TEL: +44-141-229-5711

requios at 10:24 │Comments(0)TrackBack(0)clip!U.K. explorer 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
Introduction!
Archives!(Monthly)
Archives!(Category)
J-WAVE 81.3FM