October 24, 2006

特例高金利は要りません。

8000km以上も遠く離れているとなかなか疎遠になる日本の話題を、ひさびさにやろうと思います。


「特例高金利」導入は見送り、自・公が同意(読売新聞)

このニュースを見て、少しだけ安心しました。貸金業者にとってみればものすごく耳の痛い話なんだろうけど。

今回の貸金業規制法改正は、多重債務問題の解消・・・つまり消費者保護の観点に立って行う前提だったのに、8月に金融庁の素案を見たときは、最大9年間も年50%の高金利が残ってしまう内容に愕然としました。
さらに、多重債務問題の解決に最も力を注いだ1人と言える後藤田正純衆院議員(自民党/水野真紀のダンナさんです)が金融庁の政務官を辞任したときは先行きが不安になりました。

どうせ最後は高金利が温存されてしまうのかなぁ・・・と。



でも、世論や、各野党、そして与党の一部(公明党)の批判を受けて、自民党が特例高金利の廃止に同意したことは大きな1歩といえるでしょう。


ここイギリスでは、きちんと調べてはいませんが(近いうちに調査してみようと思います)、TVや新聞の広告などを見る限りファイナンシャルサービスの分野において日本のような高金利はありえないようです。
でも預金金利は日本より高いです。(←ここも重要。)

銀行はおおむね10%、その他金融でも14.6%前後というのが一般的。日本の利息制限法で定めている金利(15-20%)よりもさらに低いのです。つまり、改正貸金業規制法でもまだ金利は高いんだという認識を持ったほうがいいかもしれません。なので、特例としてこれよりもさらに高い金利が課せられるとしたら・・・多重債務問題の解決はおそらくなしえないでしょう。


現在の日本の金融業界を俯瞰すると、大手はほとんど外国(アメリカ)資本かメガバンクの系列になっています。そして消費者金融は、銀行からの低金利(概ね1-2%)での資金調達ができ、そして高金利での貸出し(概ね25-29.2%)もできるという、非常に収益性の高い(利ザヤが稼げる)事業となっています。こんな旨みのある事業は他の国では韓国ぐらいしかありません。だから、貸金業規制法の改正着手にあたってアメリカの財務長官が横槍を入れてきたりした(数ヶ月前に改正に懸念を示しました)わけです。自国の企業の収益が減るようなことは避けたいですからね。
※アメリカという国はいつも自分のことしか考えません。牛肉しかり、軍事しかり。

その一方で、深刻化している多重債務問題の解決は、ボクも以前その仕事の一部を担っていた経験からも、憲法に示されている公共の福祉にかなうものだと考えています。貸金業者の存在意義を全否定するつもりはありませんが、彼らが果たして適正に営業しているのかという点については甚だ疑問です。特に日賦貸金業者の違法/脱法行為は目に余るものがあります。以前の仕事をしていたときには、まるでシェイクスピアの[ベニスの商人]のような惨状を何度も見てきました。


ただ気になる点が1つ。
「特例高金利の導入見送りで、今後、貸金業者から融資が受けられずに破産する消費者が相次ぐ事態を懸念する声もある。破産者が急増した場合、政府は特例高金利の導入や利息制限法の見直しなど、制度の再検討を行う考えだ。」(読売新聞記事より)

この一文がとても懸念されます。
おそらく貸金業者、そしてアメリカ政府はここを突いて何かと巻き返しを図るような気がします。また時代が逆戻りしないように注意しなくてはならないと思います。


以上、ロンドンからの考察でした。

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